「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第73回「心に咲く花会」「心の灯台」〜 いつでも、どこでも 同じ

第73回「心に咲く花会」

「心の灯台」〜 いつでも、どこでも 同じ

今日は、国立病院機構沼田病院での 2020年 最初の「内村鑑三記念 メデイカルカフェ・沼田 2020年」に赴く(添付)。これは、「心の灯台内村鑑三」を記念した「がん哲学外来」である。『「内村鑑三を敬愛する病理学者:がん学を専門とし、医療の「隙間」を埋めるために「偉大なるお節介」を信条として初めて「がん哲学外来」を開設。」とチラシには、心温かく 紹介されている。本当に勇気付けられる。 筆者の講演、講義、授業「がん哲学」の「理念」は、『「個性と多様性」〜「病気であって、病人でない」〜』であり、「目的」&「概要」&「目標」は、いつでも、どこでも 同じ であり、下記の如くである。

【目的】

「がん」研究の目的は、「人のからだに 巣食った がん細胞に介入して、その人の死期を 再び未確定の彼方に追いやり、死を忘却させる方法を 成就すること」である。「適時診断 と 的確治療」の実現である。「がん改革元年」と呼ばれた2007年の「がん対策基本法」施行を機に、国のがん対策が加速した。2017年には第3期がん対策推進基本計画が制定され、さらなる改革が進められる。がん治療にあたって、より患者の視点に寄り添うことが求められる。「がん」の根幹を追求し、俯瞰的に 物事を総合的に 見られるようにする ことを目的とする。

【概要】

「がん」の根幹を追求しようとする「the study of the diseased tissues」を機軸とする。「がん」の本態が遺伝子レベルで具体的に考えられるようになり、21世紀は、がん学にとってエキサイティングな時代の到来である。 「潜在的な需要の発掘」と「問題の設定」を提示し、「がん学に新鮮なインパクト」を与え、ダイナミックな 魅力ある「がん学の環境」を作らねばならない。これらを通して 実践的な「がん哲学」の涵養を図る。

【目標】

1.世界の動向を見極めつつ 歴史を通して 今を見通せるようになる。

2.俯瞰的に「がん」の理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材となる。

3.複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔く人材となる。 これが、2020年 新年にあたっての 普遍性の原点回帰である。