「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第84回「心に咲く花会」『逆境を超えてゆく者へ』 〜 人は意志なり 〜

第84回「心に咲く花会」

『逆境を超えてゆく者へ』 〜 人は意志なり 〜

筆者は、今週は、授業『がん学(Basic): がん、発がん、病理学』のビデオ収録を 教室で 1人で行なった。 その後、筆者が、委員長を務める 「第83回 アスベスト中皮腫外来 推進委員会」に、出席した。 2005年「クボタ ショック」(兵庫県尼崎市)から 今年(2020年)は 15年が経過した。 2005年 順天堂大学で、週一回の「アスベスト中皮腫 外来」を開設した。 現時点では、初診数、再診数 合計7000人 を超えている。 継続の重要性を痛感する日々である。 アスベスト暴露から、潜伏期の長い中皮腫は、現在 全国的に増加している。

国立ハンセン病療養所の長島愛生園に通い 「精神科医神谷美恵子の実践」についての研究を 進めらている先生から、『樋野先生は、2012年長島愛生園に来られ、「神谷美恵子記念ガン哲学カフェ」を ご講演、哲学カフェを 開催してくださいました。 長島愛生園ではそれから継続して、今も「愛カフェ」として、月に一回、入所者の方々と 外部からの人との 交流の場となっております。 2014年には 岡山市民会館大ホールにて、「神谷美恵子生誕100周年記念」が開催されました。そのおりには 樋野先生、故 日野原重明先生、神谷美恵子次男の神谷徹さんの鼎談などが行われて、1200人の満席の会場にて 神谷美恵子を忍びました。 ちなみに 神谷美恵子の両親の仲人が 新渡戸稲造であり、樋野先生とは深いご縁があります。」と説明され、それを受け取った方は、『2014年、私も 岡山市民会館での講演会に、参加致しました。日野原先生は、ご講演のお時間中ずっとお立ちになって。樋野先生が「すごいです~~ね」と コメントされていたのを覚えています。 二人で斜めになって座っている絵も、会場、笑の渦でしたね。』 と 返答されたようである。 心温まる 微笑ましい ユーモア溢れる会話である。 2020年7月 京都市立命館大学の国際平和ミュージアムで「長島愛生園の展覧会」を開催されるとのことである。

今は、「コロナ ショック」である。 「コロナ ショック」で、行事予定が中止や延期が相次ぐ。 それゆえに、筆者も、久しぶりに 新渡戸稲造 著『逆境を超えてゆく者へ』、矢内原忠雄 著『銀杏のおちば』、勝海舟 語録『氷川清話』を 拝読する時間が 与えられた。 まさに、『一喜一憂せず、「綽々たる余裕」』(勝海舟)の学びである。「書きしるせ。これらのことばは、信ずべきものであり、真実である」(ヨハネ黙示録21章5節)の 再認識の時ともなった。 今度、齋藤智恵美 代表による 講演会『がん哲学のレッスン 教室で <いのち> と向き合う 〜 人は意志なり 〜』が、企画される(添付)。乞うご期待である。