「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第86回「心に咲く花会」大変な作業を、丁寧に 正確に 〜 「知識は 秘蔵するものに あらず」 〜

第86回「心に咲く花会」

大変な作業を、丁寧に 正確に 〜 「知識は 秘蔵するものに あらず」 〜

シロクマ (polar bear) の親子の写真が 息子から送られて来た(添付)。 まさに、「癒しの写真」 である。「睦まじき親子が一番」(新渡戸稲造)の言葉が蘇って来た。 筆者の父親は、船乗りで、不在であったので、母親に負われ、診療所に行った幼い時のことが、鮮明に思い出された。 人生は、不思議である。

「緊急事態宣言を受けて、――。 先人の 生きてこられた大変な時代を思います。 樋野先生の ご著書は 支えになります。」との、励ましのメールを 京都府の在住の方から頂いた。 大変 勇気が与えられた。 筆者が、浪人時代を過ごした 京都の写真も、大変懐かしく思った。 千葉県に在住の方からは、「樋野先生の著作集の 改訂版を作成しましたので、ファイルを添付させて頂きます」とのメールが送られて来た(添付)。 これ程の大変な作業を、丁寧に 正確に してくださることに、ただただ 感謝のみである。 2003 〜 2020年(17年間)30冊 発行した ようである。 2003年とは、筆者49歳の時、丁度、癌研の実験病理部長から、順天堂大学医学部の病理・腫瘍学の教授に就任した年である。 階段を 一歩一歩登る如く、人生は、不連続の連続性である ことの実感である。 

著作は、「知識は 秘蔵するものに あらず: 知識思想は 天よりの預かりものならば、一人一家の 秘蔵すべきものではない。 あまねく 世界に 提供すべきもの。 すなわち 衆生一般とともに 楽しむもの」(一日一言 五月二十八日;新渡戸稲造)の 実践では なかろうか!