第97回「心に咲く花会」
「重荷を 花やかな風呂敷に 包んで」〜「温かな 学びの時」 〜
コロナショックで中止されていた「東久留米がん哲学外来・カフェ」が、4ヶ月ぶりに 再開された。 今回は、広々とした市の施設を借用し、感染症対策のルールに従い開催された。皆様の心温まる配慮には、大いに感服した。「人間の心というのは、言葉を糧としている = 対話」の重要性を改めて認識した。「重荷を 花やかな風呂敷に 包んで」(新渡戸稲造)の実践ともなった。
終了後は、読書会であった。 読書会は、2007年からスタートし、新渡戸稲造(1862-1933)著『武士道』(1899年、矢内原忠雄 訳)と 内村鑑三 (1861-1930)著『代表的日本人』(1908年、鈴木範久 訳)を1ヶ月ごとに交互に行っている。 今回は、内村鑑三著『代表的日本人』(西郷隆盛:新日本の創設者、上杉鷹山:封建領主、二宮尊徳:農民聖者、中江藤樹:村の先生、日蓮上人:仏僧)の、日蓮上人の5章(剣難と流罪)であった。 87歳の元看護師の 綽々たる朗読には 感動した。「正義、勇気、気概」の復習の時となった。 新渡戸稲造が、第一高等学校校長を辞職した時の、生徒の挨拶「生花の花籠のように新鮮で、かつ 造花の花籠のように 永久に あせない」が、鮮明に蘇ってきた。
筆者が、理事を務める東京女子大学の初代学長でもあった新渡戸稲造は、学生に「勉強は 午前中ぐらいにして、午後からは みんなで 散歩しながら 雑談して 人生を語り合ったりして、いろいろな考えを めぐらすほうに 時間をとればいいね」と語っている。 まさに「専門senseよりCommon Senseの働きが入用」である。 今回の読書会には、東京女子大学の卒業生も、参加されていた。 真摯な態度には、大いに感激した。 早速、参加者から「本日の東久留米がん哲学外来・カフェと読書会では ありがとうございました。 久しぶりに 先生や皆さんと お会い出来、大変嬉しかったです。 zoomにはない、温かな 学びの時でした。」との 心温まる 愛情豊かな メールを頂いた。
「内村鑑三 & 新渡戸稲造」が若き日に学んだ 札幌農学校の見学を兼ねて『北海道の旅 〜「内村鑑三 没90周年記念」&「新渡戸稲造 国際連盟事務次長 就任100周年記念」〜』が 企画される予感がする。人生は 想い出作りである。