「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第121回「心に咲く花会」「広い視野」&「確固とした現実認識」〜「なすべきことを なしたい」〜

第121回「心に咲く花会」

「広い視野」&「確固とした現実認識」〜「なすべきことを なしたい」〜

今日(2020年12月5日)は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 泌尿器病態学教授 那須保友 大会長による「ZOOMによるウエブ形式 第4回『日本地域医療連携システム学会』(テーマ『コロナ禍における地域医療を考える』)」の開催である。  講演は、 ① 頼藤貴志 先生(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 疫学・衛生分野教授、岡山県感染症対策委員会委員、岡山県クラスター対策班メンバー)による『地域医療と新型コロナウイルス感染症クラスター対策の経験も踏まえて』、② 山本太郎 先生(長崎大学熱帯医学研究所国際保健学分野教授、岡山県総社市新型コロナウイルス感染症専門家会議座長)による『with コロナの時代、何を考えるべきか?』である(添付)。  極めてタイムリーで、貴重な学び時となろう。  筆者は、講演{『医療者の人材育成』〜立場を超えて集う「交流」の場〜}の機会が与えれた。  那須保友 大会長の「器量」には、大いに感動した。

「器量」といえば、『挑太郎』を思い出す。  鬼ケ島遠征の物語は、子供時代、村のお寺の紙芝居でよく聞かされたものである。  『桃太郎』が『犬・雉・猿』という性質の違った(世にいう犬猿の仲伴)をまとめあげたことを挙げ、世に処する人は「性質の異なった者を容れるだけの雅量」をもたなければならないと 新渡戸稲造は『世渡りの道』(1912年)で述べている。  日本の女性科学者のさきがけである猿橋勝子氏の恩師は「科学者は知識だけじゃいけない。哲学がなければ」と言ったとのことである。  激しく移り変わる混沌とした世界の中で「広い視野」と「確固とした現実認識」と「深遠な歴史意識」をもち、「なすべきことを なしたい」ものである。