「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第128回「心に咲く花会」高き自由の精神 〜 愛ある者は 勇敢なる者である 〜

第128回「心に咲く花会」

高き自由の精神 〜 愛ある者は 勇敢なる者である 〜

2021年1月23日(土)午前中 東京都文京区 礫川小学校 6年生の授業『がん教育』に赴いた。  早目に到着したので、校長先生と、有意義な対談の時が与えられた。  礫川小学校は、1873年明治6年)創立とのことである。  授業は、広い体育館で、開催された。  

1) 人生邂逅の3大法則 ~ 良き先生、良き友、良き読書 ~

2) 『真理は円形にあらず、楕円形である。  一個の中心の周囲に 描かるべきものにあらずして、二個の中心の周囲に 描かるべきものである。  人は何事によらず 円満と称して円形を要求するが、天然は 人の要求に応ぜずして 楕円形を採るはふしぎである。 患難の坩堝(るつぼ)の内に燃え尽くす火に 鍛えられて初めて 実得し得るものである。』(内村鑑三)。

3) 「最も剛毅なる者は 最も柔和なる者であり、愛ある者は 勇敢なる者である」とは、「高き自由の精神」を持って医療に従事する者への普遍的な真理であろう。「他人の苦痛に対する思いやり」は、医学、医療の根本である。

を 語った。 

また、母を亡くして 悩んでいるクララ(クララ・ホイットニー)に対して、勝海舟の奥さん(たみ)の言葉『悲しい時んは 私達の所へいらっしゃい、一緒に泣きましょう、そしてあなたが 仕合せな時には 一緒に笑いましょう。  さあ勇気をお出しなさい、—— これから先の長い年月のことは考えず、今日という日以外には 日がないと思って ただ毎日をお過ごしなさい』は、「訪れる人を 温かく迎い入れる」原点であろうとも語った。  生徒から、真摯な多数の質問が多数あった。   大いに感動した。  将来医師になりたい生徒もいた。大変充実した授業であった。

午後は、「川口がん哲学カフェ『いずみ』開所4周年記念講演会」に向かった(添付)。  講演『あなたは そこにいるだけで 価値ある存在 ~ がんは人の体は侵しても、心まで侵せない』の機会が与えられた。  早速、「冷たい雨の中でも、地域の方々がいらしてくださいました。  初参加者も数人おられました。  感謝です。  樋野先生のご講演は、いつもの通り絶好調。  質疑応答も、真摯な言葉が交わされたと思います。  お花を活けてくれた方が、樋野先生をイメージして活けたそうです(添付)。」との暖かいメセージを頂いた。

想い出に残る貴重な 2021年1月23日(土)となった。