第136回「心に咲く花会」
二つの義務 〜 自分の生活を全うする義務 & 社会に貢献する義務 〜
週末(2021年3月20日)は、兵庫県の加古川バプテスト教会での『高井裕子召天記念会』に赴いた(添付)。 高井裕子 氏は昨年(2020年3月19日)47歳で逝去さ逝去された。 筆者は、2020年6月13日に、講演に赴いた(添付)。 今回は、第1部は、「召天記念会」で、「高井裕子 氏のスライド、写真、思い出、ピアノ&フルート特別演奏、梅谷悟 牧師のメッセージ」であった。 まさに、高井裕子 氏は、「わたしは、世の光です。 わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、いのちの光を持つのです」(ヨハネ8章12節)の生涯であった。 本当に素晴らしい時が与えられた。 第2部で、『がん哲学カフェ in 播磨』代表の穂積修司 牧師が、筆者を紹介してくださり、講演の機会が与えられた。 純度の高い多数の質問には、大いに感激した。 また、『がん哲学学校 in 神戸メデイカル・カフェ』代表の神戸薬科大学の横山郁子 先生と学生さんも参加され、学生さんの真摯な態度と質問には、大いに感動した。 筆者の本を購入された参加書も多数おられ、サインをした。
往復の新幹線の中で、丁度3月19日に送られて来た『蜘蛛の子よ 〜 詩と随想集』(吉田富三著;「浅川町吉田富三顕彰会」発行)を読んだ。 参考文献には「菅野晴夫:『吉田富三先生の想い出』(2012年)、北川知行、樋野興夫編『日本の科学者吉田富三 〜 生誕100年記念』(2005年)が記述されていた。 「思いやり」、「助け合いより いたわり合い」、「医療の姿」、「二つの義務:1)自分の生活を全うする義務 2)社会に貢献する義務」の復習の時であった。 まさに「勇気を与えてくれる貴重な詩と随想集」で「がん専門医としての知識や御経験を生かして、がんに関する医学的に正しい知識」の原点である。 『国手とは「国を医する名手の意」、名医また医師の敬称とあり、「医師は直接、間接に、国家の命運を担うと思うべし」とのことである。 医師の地上的使命と同時に「日本の傷を医す者」』(矢内原忠雄1893−1961: 1945年12月23日の講演)が鮮明に蘇った。 『蜘蛛の子よ 〜 詩と随想集』の表紙の「吉田富三(1903-1973)」の姿は、「考え深げな黙想と 真摯な魂と輝く目」である。 これこそ、現代に求められる「学者の風貌」ではなかろうか。 「目的は高い理想に置き、それに到達する道は臨機応変に取るべし」(新渡戸稲造1862−1933)の教訓が 今に生きる。