「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第159回「心に咲く花会」 温かい視線 〜 「人生を動かす出会い」 〜

今年(2021年3月30日)に新渡戸記念中野総合病院の近くにある『へるす出版』の斉藤浩司 氏から「埼玉医科大学総合医療センターの石田秀行 先生からご紹介をいただき、メールをさせていただきました。 樋野先生が 新渡戸記念中野総合病院に ご出勤され、ご都合がいいときに、一度、ご挨拶(出版企画に関してのご相談)にうかがえればと思っておりますが、いかがでございますでしょうか。 不躾ではございますが、ご検討いただけますと幸いに存じます。」との心温まるメールが届いた。 その後、筆者の既刊を何冊か拝読されたようである。 それから、7月新渡戸稲造記念センターの帰りに、インタビュー形式で2回『聞き書き』を行い、昨日(2021年8月26日)に音読による校正の運びとなった。 タイトルは、まだ未定であるが、筆者の作詞の「ほっとけ 気にするな」を 本文に記載したので、『「ほっとけ 気にするな」の がん哲学』案)が急浮上してきた。 まさに、「空虚の懸け橋」となる本となろう! 乞うご期待である。

 

構成(章立て)は、
はじめに:
第1章:医療者としての原点
人生を動かす出会い。背中に温かい視線を感じて。因幡の白兎が教えるもの。故郷をメデイカルヴィレジに。畳一枚ほどの墓。首尾一貫する大切さ。新渡戸稲造の『桃太郎』。人生は開いた扇。――、国際人と肝臓の特徴。真の国際人と温故創新。――、対話とカウンセリングの違い。
第2章:病理医から見た臨床医
病理がしっかりしている病院は。――、あなたはどこにいるのか。曖昧なことは曖昧に答える。プロの為さざること。日本は肝臓を目指す。脇を甘くする懐の深さ。―――。
第3章:がん細胞が語る人間社会
―――、がん細胞と人間社会の類似性。――、がん細胞の動きはしゃくとり虫。――、天寿がんの時代。――、楕円形の生き方。アダムとイブが伝えるものは。――。
第4章:がん哲学での「言葉の処方箋」
アスベスト中皮腫外来に関わる。2008年、がん哲学外来がスタートする。――、がん哲学という名称。――、人生から期待されている。――、言葉の処方箋。――、暇げな風貌と沈黙。――、病気であっても病人ではない。――、偉大なるお節介。――。
第5章:クオリティ・オブ・デスを考える
クオリティ・オブ・デスの視点。―――、どういいプレゼントを残すか。――、人との比較は無意味。――、人生の目的とは何か。――、品性を完成するために長所を伸ばす。対話を通じて良い品性にする。人生から期待される存在に。――。
第6章:がん教育はなぜ必要か?
――、がん教育の基本的な考え方――、がん教育とがん哲学の調和。 ――、教育は忘れた後に残る。――。
おわりに:

 

である。 現在、筆者は『はじめに』と『おわりに』の執筆である。 年内には発行となろう。 これも、筆者が、新渡戸稲造記念センター 長に就任したのが、きっかけであろう。 本当に、人生の不思議な流れを 痛感する日々である。