「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第187回「心に咲く花会」 「燃え続けていく」 〜 種を蒔き、開拓せよ 〜

2022年3月11日は、筆者が理事長を務める恵泉女学園の大学(多摩キャンパス)の卒業式、学位授与式に赴いた。 東久留米駅―>秋津駅―>新秋津駅―>府中本町駅―>稲田堤駅―>京王稲田堤駅―>京王多摩センター駅の『電車の旅』であった。 それからスクールバスで、大学(多摩キャンパス)に到着した。 午前は、人文学部(日本語日本文化学科・英語コミュニケーション学科)卒業式、大学院人文学研究科学位授与式であった。 筆者は、式後、保証人(保護者)に向けて、挨拶の機会が与えられた。 午後は、人間社会学部(国際社会学科・現代社会学科・社会園芸学科)卒業式、大学院平和学研究科学位授与式であった。 ともに、筆者は、式後、保証人(保護者)に向けて、挨拶の機会が与えられた。

 

恵泉女学園創立者河井道(1877-1953)は、恵泉女学園が創立(1929年) 10周年を迎えた1939年、英文”My Lantern"を著し、のちにそれが『わたしのランターン』として和訳されている。 「恵泉の建学の精神や教育、経営の理念を支える力強いバックボーン」となっている。 河井道は自著『わたしのランターン』の終わりに「ここまで、わたしは、私のランターンをかかげてきた。 時がくると、それは別の手へとひき継がれて、さらに先へと運ばれていくであろう。 私たちの魂の「太陽」が、この世界の面から、うれいと闇の跡をひとひらも残さず追いはらうまで、このランターンが、芯を切りととのえられ、燃え続けていくように、わたしはそれのみを願っている」と記述している。

 

女子教育に 大いなる理解を示した新渡戸稲造(1862-1933)(東京女子大学 初代学長)が、河井道(恵泉女学園 創立者)、津田梅子(1864―1929; 女子英學塾 創立者)、安井てつ(1870-1945;東京女子大学 第2代学長)を 援護した三人に共通するのは「洗練された自尊心」の人格像で、『種を蒔く人になりなさい』の実践であろう。 まさに、「あなたがたは正義の種を蒔き、誠実の実を刈り入れよ、あなたがたは耕地を開拓せよ。」(ホセア書10章12節)である。