「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第204回「心に咲く花会」 『人間社会の縮図』 〜 尺取虫運動に学ぶ 〜

2022年7月9日は、『がん哲学外来コーデイネーター養成講座 in 栃木 〜 人の心に贈り物を残していく ~』(がん哲学外来市民学会大会長 栃木県立がんセンター 副病院長 平林かおる)である。 筆者は、教育講演1「多様性のある制御 〜 Dramatype ~」の機会が与えられた。 講演の趣旨は、下記である。

 

【将来、医師を目指す、医学生の授業では、何時も『発がんの連盟的首位性 〜 Genotype, Phenotype, Dramatype「適時診断と的確治療」〜』として、「初期条件がある範囲にあると、初期の変異が経時的変化とともに分子の相互作用によって、様々に拡大し、将来予測が不可能になる。 これは初期のわずかの変異で大きな効果が出ることを意味する。 非平衡状態にあり外部と相互作用する開かれた複雑系では、初期状態(Genotype)が同じでも、外部から、意識的に適時に介入すれば、ある特異点(Phenotype)で分岐し 多様性のある制御(Dramatype)が可能になるはずである。 病気は Dramatype なる故に、予防、治療が成立する。」と述べる。 また、授業の終わりでは、
『医師の2つの使命』
(1)「学問的、科学的な責任」で、病気を診断・治療するーー>学者的な面
(2)「人間的な責任」で、手をさしのべるーー>患者と温かい人間としての関係を語る。

 

「日本国のあるべき姿」として『日本肝臓論』を展開している。 日本国=肝臓という「再生」論に、具体的なイメージが獲得されよう。 人間の身体と臓器、組織、細胞の役割分担とお互いの非連続性の中の連続性、そして、傷害時における全体的な「いたわり」の理解は、世界、国家、民族、人間の在り方への深い洞察へと誘うのではないだろうか。 『尺取虫運動 = 自分のoriginal pointを固めてから、後ろの吸盤を前に動かし、そこで固定して前部の足に前に進める。 かくていつも自分のoriginalityを失わないですむ』 & 「どんな境遇、状況でも 確実に 前進できる人物になれ」を教わったものである。 まさに『人間社会の病理 〜 尺取虫運動に学ぶ 〜』である。 これが、「がん哲学外来市民学会」の『病理学に学ぶ 〜 人間社会の縮図 〜』ではなかろうか!】である。