「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第215回「心に咲く花会」 話さなくても 〜 分かり合える信頼関係 〜

2022年9月20日午前中は、恵泉女学園、午後は第95回『がん哲学外来メデイカル・カフェ@よどばし』に赴いた。 多数の質問が寄せられ大いに感激した。

① 今や2人に1人は、一生の内に癌になると言われていますが、これは人間が以前より、より癌にかかり易くなったということでしょうか。 将来3人に2人がなる時代となるでしょうか。
② 癌の早期発見のためには、定期的な健康診断が大切でしょうが、普通の健康診断で発見できなかった話もよく聞きます。 早期発見のためにお勧めの方法や、注意すべき体の異変などがあるでしょうか。
③ 一度癌が寛解したのに、また癌がみつかりました。 以前の癌の転移や再発ではなく、別に発生したとのことです。 このようなことは、どのくらいの割合で起こるのでしょうか。
④ ずっと意識不明で寝たきりですが、目を開けようとしたり、何かに反応しているように見える方がおられます。 そういう意識不明の状態というのは、ご本人は何か夢を見ているような状態なのでしょうか。 何も考えられていないのでしょうか。
⑤ 何不自由なく成長した中2の下の娘が、勉強だけではなく、生活全般において、こうした方がいいよというアドバイスをしても、高校には行きたいと言いながら、教科書やワークを家に持ち帰るのは自転車通学でも重いから嫌だ、と聞き入れず、自らの今までのスタイルを変える気がないので、成績も下がり続けています。 スケジュールも予定表を見ればいいのに、見ずに思い込んだまま確認しません。 先が思いやられますが、親として、どうしたら良いでしょうか?
⑥ 先生はよく、30分何も話さなくても苦痛にならない関係の事を話されますが、それは話さなくても分かり合える信頼関係ということでしょうか。
⑦ 旧約時代の900歳まで生きた体と現代の寿命である120歳の体には、どんな違いがあると考えられますか?

筆者は、全力を尽くして返答した。 本当に有意義な貴重な時となった。