「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第245回「心に咲く花会」 『人の心に贈り物』〜『消耗型』&『増殖型』 〜

 

今年(2023年)は

新渡戸稲造(1862-1933)à 没90周年

勝海舟(1823-1899) à 生誕200周年

矢内原忠雄(1893-1961)à 生誕130周年

河井道(1877-1953)à 没70周年

吉田富三(1903-1973)à 没後50周年・生誕120周年

に加えて、親鸞(1173-1263)生誕850周年でもある。

 

筆者は、2023年2月17日は、病理組織診断の業務を行う。 筆者は、若き日から病理学者として顕微鏡で細胞を見ながら、『自分はどういう人間か』&『この世でたった一人しかいない存在』と学習したものである。

以前、アメリカでベストセラーとなった、『Multipliers: How the Best Leaders Make Everyone Smarter』(翻訳『メンバーの才能を開花させる技法』)が今回、鮮明に思い出された。【『消耗型=周囲の人たちにマイナスの影響を与える』、『増殖型=メンバーの能力を倍増させる』】とある。 まさに、『あなたがたに将来と希望を与える』(エレミヤ書29章11節) & 『わたしが来たのは、羊がいのちを得、またそれを豊かに持つためです。』(ヨハネ10章10節)の実践であろう! ルツの『あなたの行かれる所へ私も行き、――』(ルツ記1章16節)は、誠実なナオミ(義母)とボアズ(夫)との出会いが根底にあろう。『すべての人を照らすそのまことの光が世に来ようとしていた』(ヨハネ福音書1章9節)の学びである。

 

筆者は、2023年2月19日 甲府市総合市民会館での講演『言葉の処方箋』の機会が与えれた。 『人の心に贈り物をのこしていく』でグループでの語り合いも企画されるとのことである。 内村鑑三(1861-1930)の『後世への最大遺物』の『われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより 世の中を少しなりとも善くして 逝こうじゃないか』&『勇ましき高尚なる生涯=世の中への贈物としてこの世を去る』が本当の『言葉の処方箋』ではなかろうか!