「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第252回「心に咲く花会」 人生を見つめるチャンス 〜 足下を照らす懐中電灯 〜

2023年3月13日 池上彰先生の近著『聖書がわかれば世界が見える』(SB新書)を拝読した。『がんばりすぎない、悲しみすぎない』(添付 2017年 講談社)での池上彰先生との対談が鮮明に思い出された。 グローバル化の現代における『真の国際人』としての教養について語り合い、真髄に触れる貴重な一時となったものである。

 

【研究が進み、がん患者の生存期間が長くなった現代において、がんは『慢性疾患』と言われており、患者は長期間にわたる通院、治療を余儀なくされています。 その負担は患者本人だけでなく、家族にも重くのしかかります。 樋野先生が主宰する「がん哲学外来カフェ」には、患者本人だけでなく、家族からの相談も後を絶たないそうです。 どうすれば、前向きな気持ちを失わずに、がんになってしまった家族と最期まで向き合うことができるのか。 これは、がん患者の家族だけでなく、今後がん患者やその家族になる可能性のある私たちみんなの重要な課題と言えるでしょう。― 樋野先生より『池上先生とはお話したいことがあります。ぜひ、対談したいですね』とお返事をいただきました。 ぜひこちらの本の特別付録として、樋野先生と『がん患者の家族 こころのあり方』をテーマに対談して頂けないでしょうか。―】と依頼された。

【はじめに:― 苦しんでいる患者を前に、『健康な自分が弱音を吐くことなどできない』と一人悩まれている家族の方は、この本を読むことで、少しは気持ちが楽になっていただけるのではないでしょうか。 また家族だけでなく、患者自身もこの本を読んで、家族の思いを知ってほしいと思っております。 八方ふさがりでも、天は開いています。 私の言葉をきっかけに、それぞれに自分の足下を照らす懐中電灯を見つけていただけたら嬉しく思います。】
第1章 受け入れる ー 宣告・治療の選択
第2章 共にたたかう ー 治療
第3章 寄り添う ー 転移・再発・緩和ケア
特別対談 池上 彰 × 樋野興夫 がんは人生を見つめるチャンス
で『がんばりすぎない、悲しみすぎない』(講談社)が構成された(添付)。


f:id:kokoronisakuhanalife:20230314193508j:image


f:id:kokoronisakuhanalife:20230314193518j:image