「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第260回「心に咲く花会」 『言葉の復学』 〜 『教育の意義』 〜

2023年4月18日順天堂大学保健医療学部 理学療法学科の2年生の第2回目講義『病理学概論』(14: 50~16:20)に赴いた(東京都文京区)。 今回は、教科書『カラーで学べる病理学』を用いて、第1章『病理学の領域』【「病理学の概要」、「疾病の概要:疾病の誘引と回復力、個人差と個人の反応:生活習慣病」、「人体病理学と実験病理学」、「病理学と臨床医学:診断病理学(病理診断、細胞診断)、「病理解剖」】、『コラム:ポストゲノム医学とプレシジョン・メディシン』、さらに 第2章『細胞・組織とその障害』【「細胞の構造と機能」、「組織:上皮組織、支持組織」、「細胞障害」、「壊死とアポトーシス:壊死、凝固壊死、融解壊死、特殊な壊死(乾酪壊死、壊疽、ミイラ化)、「アポトーシス」、「萎縮:生理的萎縮」】の箇所を音読しながら進めた。 誰も眠ずに、真摯に授業に出席する学生姿には大いに感動した。 4月19日は、順天堂大学保健医療学部 診療放射線学科の講義『病理学概論』(13:10~14:40)と『がん医療科学』(14:50~16:20)である。 初回の授業であるのでスライドを使用しながら進める。 その後は、大学院修士課程(医科学コース)講義『がんと遺伝子』(19:45~21:15)に向かう。 前回 4月12日は『がんの定義、自然史と介入』で、今回は2回目の講義【発がん機構総論】である。【病理学概論】ー>【がん医療科学】ー>【発がん機構総論】と、【3連ちゃん症候群】である! 4月20日は、ルーテル学院大学(東京都三鷹市)で【現代生命科学】の授業である。

 

『純度の高い専門性と社会的包容力』&『新渡戸稲造(1862-1933)〜真の国際人 〜』が授業のモットーである。 新渡戸稲造が愛読したトーマス・カーライル(Thomas Carlyle, 1795-1881)の『サーター・リサータス:衣装哲学』の『“Do thy Duty, which lies nearest thee, which thou knowest to be a Duty”(汝の義務を尽くせ。汝の最も近くにある義務を尽くせ、汝が義務と知られるものを尽くせ)』と『真に偉大なる人とは、青年と心を結べる人なり』(新渡戸稲造)の『言葉の復学』でもある。 人生邂逅の三大法則は、『良い先生、よき友、良い読書』である。 そして、人生は開いた扇のようである。 人生における出会いは、出会った時に受ける影響だけに留まらず、20~30年後に影響してくる『教育の意義』を実感する日々でもある。 学生への授業は、筆者自身の『学びの時』でもある。