「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第164回「心に咲く花会」 対話を通して 〜 気持ちが晴れる 〜

2021年10月2日、早稲田大学野国際コミュニティプラザ エクステンションセンター 中野校(東京都中野区)での講座『がんと生きる哲学 医師との対話を通して「がん」と生きる方法を考える』に赴いた。 参加者の皆様との沢山の質疑応答で、大変有意義な講座であった。 『心に咲く花会』を担当されている森尚子 氏(目白がん哲学外来カフェ代表 目白町教会内)も聴講されていた。 終了後、ご主人(医師)も来られ、「中野四季の森公園」の向かいにある「中野セントラルパーク」のレストランで、3人で昼食した。 楽しいひと時であった。

 

それから筆者は、『メディカルカフェ ほとり』(代表:小泉さおり 医師)(東京都世田谷区の東京カベナント教会内)の2周年記念講演会に向かった。 「あなたが がんの診断を受けた時、担当になった先生は 一所懸命に病気や治療法の説明をしてくれ、全力で最善の治療をしてくれるでしょう。 でも、きっと あなた専属の先生ではなく、他の患者さんもたくさんいて、忙しそうにしているかもしれません。こんなこと聞いてもいいのかな、と聞きそびれてしまったことも いくつかあるかもしれません。 そばに家族がいてもいなくても、気が滅入ってしまうこともあるかもしれません。 家でも病院でもない、でも病気があっても気軽に出かけられる。 知らない人と お茶を飲んでおしゃべりをする。 病気のことでも、それ以外のことでも。 そんな場所があればいいのに。 帰るときには 少し心が軽くなるような、気持ちが晴れるような。 そのような場を作りたい、という思いでこのメディカルカフェは始まりました。 樋野興夫 先生は2008年に がん哲学外来をはじめました。 たくさんの方と面談され、種をまき続けておられます。 ぜひ一度お出かけください。」と紹介されていた。 代表の小泉さおり 先生(医師)の働きには、大いに感動した。

 

講演では、「樋野先生が 新渡戸稲造の言葉で感銘した 言葉の処方箋 を幾つか話して欲しい」10カ条

1)間断なき努力は進歩の要件

2)自分の力が人に役に立つと思うときは進んでやれ

3)意志は人なり

4)人の欠点を指摘する要はない 人のあやまちは語るには足りぬ

5)学問より実行

6)理由があっても腹を立てぬこそ 非凡の人

7)花は芽にあり

8)威厳は優しき声に現れる

9)われ太平洋の橋とならん

10) 心がけにより 逆境も 順境とされる

を語った。

講演後、患者さん、小泉さおり 先生、看護師さん、と4人で面談した。 ニュースレター『ほとり』の創刊で、大いに話が盛り上がった。 早速、今朝、「すばらしいご講演をありがとうございました。 昨日の先生のご講演と そのあと個人面談で語られた言葉は 私にとって大きなことでした。」との心温まる励ましのメールを頂いた。 涙無くしては 語れない! 大変貴重な時となった。