「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第357回「心に咲く花会」 『真理と自由の発展』 〜 人生の起点 & 機軸 〜

2024年6月22日、『南原繁研究会』にZoomに参加した。 筆者は、2004年にスタートした『南原繁研究会』の『3代目代表』を仰せつかってる。 今回の読書会の箇所は、【南原繁著作集第二巻(発行;岩波書店)『フィヒテの政治哲学』であった。『歴史における真理と自由の発展』(南原繁:1889-1974)の言葉が鮮明に蘇ってきた。 日々、勉強である。

6月23日は『東久留米がん哲学外来・カフェ』(2008年スタート)である。【“がんの悩みを心おきなく話したい” お茶を飲みながら、患者さん、ご家族、お友達、医療者が対話する場です。 並行して、樋野興夫先生との個別面談を行っています。(無料・要予約)】と案内されている。

その後は、『読書会』(2007年スタート)である。【新渡戸稲造(1862-1933)『武士道』(岩波文庫矢内原忠雄訳)と内村鑑三(1861-1930)『代表的日本人』(岩波文庫、鈴木範久訳)を交互に読み進めております。 リーダーは順天堂大学名誉教授・一般社団法人がん哲学外来理事長で新渡戸稲造記念センター長の樋野興夫先生です。 樋野先生のユニークでわかりやすい解説と さり気なく語られるメッセージに励まされ、人生の生きる意味を あらためて考えるひとときになります。 どなたでもご参加いただけます。 みなさまの参加をお待ちしております。】と紹介されている。 継続の大切を実感する。

想えば、筆者の人生は、小さな村での少年時代の原風景、学生時代の読書遍歴{内村鑑三(1861-1930)・新渡戸稲造(1862-1933)・南原繁(1889-1974)・矢内原忠雄(1893-1961)}であった。 小学校の卒業式の来賓の挨拶『少年よ、大志を抱け』(1887年札幌農学校のクラーク博士の言葉)を強烈に覚えている。 筆者の人生の起点であると言っても過言でなかろう。 その後、人生の機軸でなる『内村鑑三新渡戸稲造』へと導かれ、『南原繁矢内原忠雄』との間接的な出会いが与えられた。 英文で書かれた『武士道』(新渡戸稲造)と『代表的日本人』(内村鑑三)は、若き日からの座右の書である。 悩める時に、いかに勇気づけ、励まされたことか。