「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第175回「心に咲く花会」 能動的に人生を送る 〜 やる気を回復する 〜

2021年12月16日 第87回『がん哲学外来メデイカル・カフェ@よどばし』(淀橋教会に於いて)に赴いた(添付)。 「大変有意義な充実した時でした。」、「有意義なお話しをありがとうございました。」との励ましの言葉を頂いた。 来年の予定日も既に決定された。 スッタフの皆様の準備、熱意には、ただただ感服した。 今回も、会場で、多数の質問が寄せられた(下記)。

 

〇 1月に乳がんの手術を受ける予定です。手術前までまだ少しありますが、それまでに何か気を付けておくことはあるでしょうか。体調管理をどのようにすればよいでしょうか。
〇 身近な所で癌になる方が本当に増えている感がします。これは、皆さんが良く調べるようになって、癌が早く見つかるようになっているからか、それともやはり人間の体が癌にかかり易くなってきているのでしょうか。
〇 ニュースで人間の尿で、線虫検査すれば、ガンの有無だけではなく、どこの部位なのかをわかるようになったと報道していました。この検査の精度は、どの程度なのでしょうか?また、現段階で、この検査をする意味はあるのでしょうか?
〇 看護師さんは、昔は看護婦さんと呼ばれて、女性の職業だったと思います。やはり、看護の仕事は「母」「女性」の中にある要素が求められるのでしょうか。それは何ですか。
〇 日本の病院では、ファシリティ―ドッグの普及がなかなか進んでいないように思います。原因は何でしょうか。費用や、犬の訓練に時間がかかったりすることでしょうか。それとも、社会がなかなかそれを受け入れられないのでしょうか。
和食屋を営んでいて、厨房にはいくつも砥石があり、それで作業しているのを見かけているはずなのに、子供の1人は、漢字を覚え
る際に、「砥石」とは何か?という説明からしなくてはならない状態で、教えてもらわないと気付かないことが多すぎる。普段の生
活の中で、興味や好奇心を持って、能動的に人生を送るには、どうすればいいのか?
〇 海外の人から見ると、日本人はとても優しく、きれい好きで、協調性のある民族と見られていますが、関西に住む私は、家族の中に男一人で、基本的に妻や娘達のいう通りにしないと怖いので、食事の時間にも遅れないように、携帯のタイマーで確認しています。もう少し優しく、配慮してもらいたいのですが、どうしたらよいでしょうか?
〇 以前、男性は答えを出したがる、女性は答えを求めるのではなくただ話を聞いてほしいと思っている、と聞いたことがあります。がん患者さんに寄り添う仕方も、男性と女性で違える必要がありますか。
〇 一度挫折し脱落すると、這い上がっていくのが難しいのが、現代ではないかと思います。そのような中で、不登校になってしまった子供が、やる気を回復するのに、何かヒントになるようなアドバイスがあるでしょうか。
〇 多少、発達障害の傾向があるかもしれないが、部屋の片付けができずに、中3の今でも、母親が見かねて、娘の部屋の片付けをしている。当然、学校での必要な物も、すぐに出てこないが、任せていると、足の踏み場がなくなってしまう。いつまでも私がやるわけにはいかないが、子供や主人に片付けや手伝いをスムーズにさせるのに何か良い方法はないでしょうか?
〇「支える」と「寄り添う」の違いをもう一度教えてください。
〇 相手が固く心を閉ざしているとき、どう寄り添ったらよいですか。

 

などなど30を超える純度の高い質問であった。 筆者は、一つ一つ、全力を尽くして答えた。 筆者にとっても、新たなる気づきともなった。 終了後、東京女子大学の理事会に向かった。 「人間教育」の学びの一日であった。


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