「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第178回「心に咲く花会」 『わたしのランターン』 〜 燃え続けていく 〜

2022年1月6日午前中 教職員の恵泉女学園新年礼拝(フェロシップホールに於いて)に出席した。 筆者は、昨年2021年7月1日、新渡戸稲造(1862-1933)から学んだ河井道(1877-1953)が、初代学園長である恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになったので、初めての参加であった。『御挨拶』の機会が与えれた。下記を語った。

 

【河井道の『わたしのランターン』の終わりに「ここまで、わたしは、私のランターンをかかげてきた。 時がくると、それは別の手へとひき継がれて、さらに先へと運ばれていくであろう。 私たちの魂の「太陽」が、この世界の面から、うれいと闇の跡をひとひらも残さず追いはらうまで、このランターンが、芯を切りととのえられ、燃え続けていくように、わたしはそれのみを願っている」と記述している。人間は、自分では「希望のない状況」であると思ったとしても、「人生の方からは期待されている存在」であると実感する深い学びの時が与えられています。現代は、「表面的なhappy」vs「内から湧き出るjoy」の違いの考察の時ではないでしょうか!女子教育に 大いなる理解を示した新渡戸稲造東京女子大学 初代学長)が、援護した河井道(恵泉女学園 創立者)は、まさに、『種を蒔く人になりなさい』の実践であります。】、さらに、新渡戸稲造の考え・行動が、集約されている以下の4項目、
(1)賢明な寛容さ (the wise patience)
(2)行動より大切な静思 (contemplation beyond action)
(3)紛争や勝利より大切な理念 (vision beyond conflict and success)
(4)実例と実行 (example and own action)
そして、河井道なら、『コロナ時代の教育』をいかに語られるのであろうか!?
『コロナの時代を生きる5か条』
① 自分の力が人の役に立つと思う時は進んでやれ
② 人の欠点を指摘する要はない、 人のあやまちは語るには足らぬ
③ 理由があっても腹を立てぬこそ非凡の人
④ 感謝は優しき声に表れる
⑤ 心がけにより逆境も順境とされる
を述べた。

本山早苗 校長が『御挨拶』で、筆者の新刊『がん細胞から学んだ生き方「ほっとけ 気にするな」のがん哲学』(へるす出版)(添付)から『菅野晴夫 先生(1925-2016)は「30代は人にいわれたことをがむしゃらにやれ、40代で自分の好きなことに専念し、50代で人の面倒をみる、60代になっても自分のことしか考えていないなら恥と思え」』(38,39ページ)を話され、大いに感動した。 大変、貴重な時であった。


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