「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第188回「心に咲く花会」 教育のあり方 〜 友によって研磨される 〜

筆者が理事長を務める恵泉女学園の大学の卒業式(2022年3月11日;多摩キャンパス)に続いて、2022年3月16日は、高校(世田谷区の経堂)の第74回卒業式に赴いた。 在校生代表の「送別のことば」、卒業生代表の「感謝のことば」の真摯な対応には、大いに感動した。 まさに、「鉄は鉄にもって研磨する。人はその友によって研磨される」(箴言27章17節)を実感する貴重な日となった。 そして、筆者は、第74回卒業生感謝会で学生、保護者に向けて、挨拶の機会が与えられた。

 

恵泉女学園創立者河井道(1877-1953)は、恵泉女学園が創立(1929年) 10周年を迎えた1939年、英文”My Lantern"を著し、のちにそれが『わたしのランターン』として和訳されている。 「燃え続けていくように、わたしはそれのみを願っている」と記述している。 『種を蒔く人になりなさい』の実践であろう。 「大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ 種蒔く人には種を与え ― わたしが与えた使命を必ず果たす。」(イザヤ書55章10節〜11節)である。

 

その後、偶然にも雑誌社から、インタビューの依頼があった。『新型コロナウイルスの蔓延により、突如として一変したこれまでの生活。 会いたい人になかなか会えない、思うように外出できない。 人生の大きな楽しみが長期的に制限されるなかで、ややもすれば気持ちが暗い方向へと向かってしまうかたも多いといいます。しかし、そんな状況のなかでも少し視点を変え、「自分にとっての幸せとは何なのか」、「大切にしていきたいこととは何なのか」、「どうすれば気持ちが切り替えられるのだろうか」、「自分が暮らすこの場所での他者とのつながりとは?」など読者のかたが自身の心と対話し、今の日々の中での小さな幸せに気づき、心穏やかに過ごす助けとなるようなページにしたいと思っております。』とのことである。 大いに、感激した。 不思議な繋がりである。

 

夕方には、映画監督とスタッフの方との面談が企画された。 ドキュメンタリー映画新渡戸稲造(1862-1933)生誕160周年記念 〜 教育のあり方 〜』の製作を考えたいとのことである。 混迷する今の時代のタイムリーなテーマとなろう!