「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第235回「心に咲く花会」 社会で生きるコツ 〜 『協調・協力こそが力なり』〜

2023年1月5日 新渡戸記念中野総合病院【初代理事長:新渡戸稲造(1862-1933)】の新渡戸稲造記念センターに赴いた。 理事長・病院長の入江徹也先生と対談した。 『新型コロナウイルスの社会で生きるコツ』の話で大いに盛り上がった。 筆者は、【「ペスト流行の時代に、マルテイン・ルター(1483-1546)は、王の避難命令を無視して、近くに居る困ってる人に手を差し伸べた。&「過度の自粛でも軽度自粛でもなく、常識的に狭き門、真ん中を通る人物の時代的要請」】をさりげなく語った。 さらに、【勝海舟(1823-1899)の言葉『やるだけのことはやって、後のことは心の中で、そっと心配しておれば良いではないか。 どうせなるようにしかならないよ』、勝海舟の最悪を考えて、準備しながら、『世間の騒擾に一喜一憂せず「綽々たる余裕」』で「過度な不安」の風貌を示さず最善を尽くした胆力! これが『真のリーダーですね!』、『純度の高い専門性 と 社会的包容力』】を紹介した。

 

そして、感染症に命をかけた下記の3人の日本人の医師を紹介した。

 

天然痘」=笠原良策(1809-1880)
「 梅毒 」=秦佐八郎(1873−1938)
チフス」=肥沼信次(1908−1946)

 

1933年3月3日 三陸地震の大災害があったと記されている。 その時、 新渡戸稲造は 被災地 宮古市等沿岸部を視察したとのことである。 その惨状を目の当たりにした新渡戸稲造は『Union is Power(協調・協力こそが力なり)』と 当時の青年に語ったと言われている。 時代の波は 寄せては返すが すべての始まりは「人材」である。 行動への意識の根源と原動力をもち、『はしるべき行程』と『見据える勇気』である。 10年後に『もしかして あのときの大変さは、このときのため』と思えるような、新しいことを見いだすチャンスかもしれない! 『時代を動かすリーダーの清々しい胆力』としての『人間の知恵と洞察とともに、自由にして勇気ある行動』(南原繁;1899-1974の『新渡戸稲造先生』より)が鮮明に蘇る『コロナ時代』の今日この頃である。