「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第251回「心に咲く花会」 教育の理念 〜 多様性のある居場所 〜

2023年3月10日 『東久留米―>秋津―>新秋津―>府中本町―>稲田堤―>京王稲田堤ー>京王多摩センターからスクルーバス』で、東京都多摩市にある恵泉女学園大学・大学院の卒業式・学位授与式に赴いた。 午前中(10:00〜)は『人文学部:日本語日本文化学科・英語コミュニケーション学科・人文学研究科』であった。 全員138名であった。『学燈ゆずり』では恵泉女学園創立者:河井道(1877-1953)の『わたしのランターン』の終わりにある【わたしは、私のランターンをかかげてきた。 時がくると、それは別の手へとひき継がれて、さらに先へと運ばれていくであろう。 私たちの魂の『太陽』が、この世界の面から、うれいと闇の跡をひとひらも残さず追いはらうまで、このランターンが、芯を切りととのえられ、燃え続けていくように、わたしはそれのみを願っている】が朗読された。 筆者は、2021年7月1日、新渡戸稲造(1862-1933)から学んだ河井道が初代学園長である恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになった。 理事長として、保護者に『恵泉女学園の教育の理念の10ヶ条』を語った。 昼食後、大学構内を散策した。

 

午後(14:00〜)は、『人間社会学部:国際社会学科・社会園芸学科・平和学研究科』の卒業式・学位授与式であった。 全員で156名であった。 答辞を述べられた卒業生代表は、筆者が代表を務める『南原繁研究会』のメンバーの鈴木英雄氏
のお孫さんであることを知った。 大いに感動した。 保護者には『多様性のある居場所の教訓の5ヶ条』をさりげなく語った。 筆者が『新渡戸稲造記念センター長』を務める新渡戸稲造賀川豊彦(1888-1960)らによって創設された新渡戸記念中野総合病院の副院長(外科部長兼務)大野玲先生にも偶然にお逢いした。 娘様の卒業式であった。 奥様、息子様も参加されており、ご家族とご一緒に記念写真を撮った。 本当に有意義な貴重な卒業式であった。 終了後、東京都杉並区の東京女子大学の理事会に向かった。 今年(2023年)は、新渡戸稲造没90周年、河井道没70周年でもある。 女子教育に大いなる理解を示した新渡戸稲造東京女子大学初代学長)が、援護した3人【河井道(恵泉女学園 創立者)、津田梅子(1864-1929;女子英學塾 創立者)安井てつ(1870-1945;東京女子大学第2代学長)】に共通するのは『種を蒔く人になりなさい』の実践であろう。