「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第256回「心に咲く花会」 謙虚で、常に前に向かって 〜 段階ごとに辛抱強く 〜

最近、筆者は『純度の高いお医者さんに 出会いたいと思います。 そういうとき、やはりネットの情報は役に立つのでしょうか ?』との質問を受ける。 科学としての『がん学』を極めることは、『森を見て木の皮まで見る』ことであり、『がん哲学外来』はマクロからミクロまでの手順を踏んだ『丁寧な大局観』を獲得する『厳粛な訓練』の場でもある。 筆者は『陣営の外』で気づかされ、日々勉強である。 そして、何時も下記を述べることにしている。

 

『医師の2つの使命』
(1)『学問的、科学的な責任』で、病気を診断・治療する
(2)『人間的な責任』で、手をさしのべる。

『医療から見た社会維新の5ヶ条」
(1)『明晰な病理学的診断』
(2)『冷静な外科的処置』
(3)『知的な内科的診療』
(4)『人間力のある神経内科的ケア』
(5)『人間の身体に起こることは、人間社会でも起こる=がん哲学』

『風貌と胆力の7カ条』
(1)自分の研究に自信があって、世の流行り廃りに一喜一憂せず、あくせくしない態度
(2)軽やかに、そしてものを楽しむ。自らの強みを基盤とする。
(3)学には限りないことをよく知っていて、新しいことにも、自分の知
らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力する。
(4)段階ごとに辛抱強く、丁寧に仕上げていく。最後に立派に完成する。
(5)事に当たっては、考え抜いて日本の持つパワーを充分に発揮して大
きな仕事をする
(6)自分のオリジナルで流行を作れ!
(7)昔の命題は、今日の命題であり、将来のそれでもある。