「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第309回「心に咲く花会」 『時の徴』の学び 〜 理論的根底の懐の深さ 〜

2013年11月30日ルーテル学院大学での講義『現代生命科学II』に赴いた。 教科書『カラーで学べる病理学』を用いて、第6章『免疫とアレルギー』 & 第7章『感染症』 & 8章『代謝異常』を音読しながら進めた。 コロナ時代における『感染症』の学びの機会はタイムリーであった。 真摯な学生の姿勢には 大いに感激した。 大変充実した学びの時であった。

【病理学は顕微鏡を覗きながら、大局観を持つことが求められる分野でもある。『森を見て木の皮まで見る』ことであり、マクロからミクロまでの手順を踏んだ『丁寧な大局観』を獲得する『厳粛な訓練』の場でもある。『陣営の外』で日々気づかされ、勉強である。 これが『時の徴』の学び方でもあろうか。 まさに『風貌を見て、心まで診る=病理学』の時代的到来であろう。 『病理学=理論的根底』の懐の深さを感ずる。】をさりげなく語った。

【電子計算機時代だ、宇宙時代だといってみても、人間の身体のできと、その心情の動きとは、『昔も今も変わってはいない』のである。 超近代的で合理的といわれる人でも、病気になって自分の死を考えさせられる時になると、太古の人間にかえる。 その医師に訴え、医師を見つめる目つきは、超近代的でも合理的でもなくなる。 静かで、淋しく、哀れな、昔ながらの一個の人間にかえるのである。 その時の救いは、頼りになる良医が側にいてくれることである】(吉田富三:1903 – 1973)の言葉も紹介した。

その後、『国会クリスマス晩餐会2023』(ホテル・ニューオータニ東京に於いて)に、wifeと出席する機会が与えられた(添付)。 秋沢淳子氏(TBSテレビ・アナウンサー)の司会により、音楽、各国大使、衆議院議員、参議運議員のスピーチがなされた。 合唱『諸人こぞりて』、『きよしこの夜』には、心が洗われた。会場で、手元にあった著者の新刊『教養を深め、時代を読む 〜 楕円形の心 〜』(to be出版)、【『樋野動物園』2号『宇宙人から地球上の動物を眺める 〜 個性と多様性 〜』】(樋野動物園出版局)を数名の方にプレゼントした(添付)。 大変有意義な貴重な時となった。