「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第331回「心に咲く花会」 『活動の継続』 〜 医療環境の改善 〜

2024年2月21日、2009年からスタートした『柏がん哲学外来』(柏地域医療連携センター於いて)に赴いた(添付)。 2024年3月20日『がん哲学外来亀有メディカルカフェ開設記念講演会』(添付)の打ち合わせで大いに話が盛り上がった。 その後、スタッフの皆様と昼食しながら、6月27日の『15周年記念会』の打ち合わせを行なった。 大変有意義な貴重な時となった。 その後、柏駅から『宮川庚子記念研究財団』の評議員会に赴いた(地下鉄銀座線『外苑前駅』)。

【肝炎ウイルスに起因する肝炎・肝癌の研究の企画推進を図る事を通じて、国内外の学術団体との交流を図り、肝炎・肝癌研究者への助成、肝炎・肝癌の診断、予防及び治療に関する知識の普及等を実施して、肝炎・肝癌の撲滅を企図する。 宮川庚子記念研究財団は、1993年93歳で御逝去なされた宮川庚子医師を記念する研究財団です。 宮川庚子医師は女性として日本で最初に医学博士の学位を授与されております。 ― ご子息の宮川侑三内科医師の長年の肝臓病学との関わりから、1995年11月20日に当財団が設立されました。 設立当時の日本の肝臓病の現状は、B型肝炎に対する母子感染防止事業(1986年以降)の推進によりB型肝炎ウイルスキャリア数は激減し、一方、C型肝炎については輸血血液のC型肝炎ウイルススクリーニング法の進歩と医療環境の改善に伴い新しい感染者はほとんど認められなくなりました。 しかしながら過去においてB型あるいはC型肝炎ウイルスキャリアになった人は合計350万人以上でこれらの人は肝硬変、肝細胞癌に向かって進行しており日本人にとって重大な健康被害が未解決の問題として残っていました。 当財団は肝炎・肝細胞癌の制圧を主な事業目標として、― 活動を継続してきました。】と謳われている。

想えば、筆者は、医学部を卒業して、癌研で研究をスタートした。 その時の研究テーマは、『肝発がん』で、化学物質による化学肝発がん、B型肝炎ウイルス(HBV)によるウイルス肝発がん機構であった。 癌研時代に、日本で最初に『肝癌症例におけるB型肝炎ウイルスDNAの組み込み頻度と肝癌発生におけるその評価』を発表し、医学博士の学位を取得し、米国アインシュタイン医科大学肝臓研究センターに留学したのが、鮮明に思い出された。