「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第377回「心に咲く花会」 『医療者の使命』 〜 常に前に向かって努力する & 積極的に人々に仕える 〜

2024年10月14日 千葉県千葉市にある『東京情報大学看護学部』の教授:小島善和先生から依頼され『病理学』の3時限目と4時限目の授業に赴いた。

筆者は、医師になり癌研究会癌研究所の病理部に入った。 病理学者であり、当時の癌研究所所長であった菅野晴夫先生(1925-2016;添付)の言葉『広々とした病理学」とは、「病理学には限りがないことをよく知っていて、新しいことにも自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力しているイメージ』を 授業でさりげなく語った。

また、『医療者の2つの使命』

(1)『学問的、科学的な責任』で、病気を診断・治療するーー>学者的な面(2)『人間的な責任』で、手をさしのべるーー>患者と温かい人間としての関係

『医療者の絶対性大原理』

愛がなければ全ては無意味

『医療者の真髄』

(1)愛に溢れた雰囲気 (2)静かな口調 (3)にもかかわらず

『医療者の心得』

(1)仮面を外し、心の垣根をとる (2)秘密は守る、リラックスした時間を過ごす (3)正直になる、積極的に人々に仕える

を述べた。

4時限目は『教科書:ナーシング・グラフィカ 病態生理学』(MCメディカ出版)を用いて『病態生理学』の箇所を音読しながら進めた。 学生の『謙虚で、常に前に向かって 努力されている姿』には、大いに感動した。