「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第289回「心に咲く花会」 根底をー貫して 〜 足跡をたどる 〜

2023年9月1日午前中は、病理組織診断業務に赴いた。 その後、順天堂大学に寄り、恵泉女学園に向かい先生達と7人で面談した。 大変貴重な時となった。 市民公開シンポジム『21世紀の わたしのランタン』の実現が楽しみである!

河井道(1877–1953)は、恵泉女学園創立10周年(1939年)を機に『”My Lantern”(わたしのランターン)』著を書いた。【河井道は自著『わたしのランターン』の終わりに『ここまで、わたしは、私のランターンをかかげてきた。 時がくると、それは 別の手へとひき継がれて、さらに先へと運ばれていくであろう。 私たちの魂の「太陽」が、この世界の面から、うれいと闇(やみ)の跡を ひとひらも残さず追いはらうまで、このランターンが、芯(しん)を切りととのえられ、燃え続けていくように、わたしはそれのみを願っている』】と記述している。 まさに、『種を蒔く人になりなさい』の実践である!

2023年10月10日、軽井沢での講演『軽井沢の夢 〜 内村鑑三(1861-1930;添付) & 新渡戸稲造(1862−1933;添付) 〜』(軽井沢南教会牧師 宮澤豊先生企画)が決定された。 昨年(2022年)8月3日 筆者は、wifeと軽井沢で講演会『新渡戸稲造生誕160周年記念:新渡戸稲造 博士の足跡をたどる』(主催:軽井沢南教会牧師; 軽井沢観光振興センターに於いて)に赴いたものである。

【1898年 新渡戸稲造は軽井沢を訪れ、1905年別荘を購入、1918年軽井沢夏季大学スタートし、初代学長に就任】など、改めて確認出来た。 講演会の後、『新渡戸通り』を歩いて『新渡戸稲造の別荘地』を散策した。 新渡戸稲造のゆかりの軽井沢は、筆者にとっては、新渡戸稲造の『優雅な感情を養うは、他人の苦痛に対する思いやりを生む。 しかして他人の感情を尊敬することから生ずる謙遜・慇懃(いんぎん)の心は 礼の根本をなす』が鮮明に蘇ってくる

『根底をー貫して流れる繋がり 〜 昔の命題(mission)、今日の命題(concept)、将来の命題(vision) 〜』の静思は時代的要請であろう。 新刊『新渡戸稲造 〜 壁を破る言葉〜』(三笠書房発行)は、乞うご期待である(添付)。