「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第302回「心に咲く花会」 『ランターンの芯(しん)』 〜 『魂の太陽』 〜

2023年10月31日の韓国のミョンジ(Myongji)大学での講演『第1回 メディカルカフェ in ソウル」:樋野興夫博士招待』を終えて、11月1日、キンポ空港から羽田空港に帰国した。 大変有意義な充実した『ソウルの旅』であった。

11月2日『恵泉女学園創立94周年記念式』に赴いた。 筆者は新渡戸稲造(1862-1933)(添付)から学んだ河井道(1877-1953)(添付)が、創立(1929年)した恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになり『挨拶』する機会が与えられた。

【河井道は、創立10周年を機に、『”My Lantern”(わたしのランターン)』著した(1939年)。 河井道は自著『わたしのランターン』の終わりに『ここまで、わたしは、私のランターンをかかげてきた。 時がくると、それは別の手へとひき継がれて、さらに先へと運ばれていくであろう。 私たちの『魂の太陽』が、この世界の面から、うれいと闇(やみ)の跡をひとひらも残さず追いはらうまで、このランターンが、芯(しん)を切りととのえられ、燃え続けていくように、わたしはそれのみを願っている』と記述しています。 女子教育に 大いなる理解を示した新渡戸稲造東京女子大学 初代学長)が、河井道(恵泉女学園 創立者)、津田梅子(1864―1929; 女子英學塾 創立者)、安井てつ(1870-1945;東京女子大学 第2代学長)を 援護した三人に共通するのは『洗練された自尊心』の人格像であると考えます。 まさに、『種を蒔く人になりなさい』の実践でしょう!】と語った。

また、 『自作の恵泉女学園の心得の3か条』を、されげなく語った。

1) 世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見ていく

2) 『理念を持って現実に向かい、現実の中に理念』を問う人材の育成

3) 複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む『具眼の士の種蒔き』

記念講演は、上野千鶴子先生の『Girls be Ambitious! ガラスの天井を超えて』であった、 大変貴重な『恵泉女学園創立94周年記念式』となった。