「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第317回「心に咲く花会」 『人生の道を勇ましく前進させる』 〜 『役割意識 & 使命感 & 配慮』 〜

2023年12月26日 筆者は、代表を務めるリンチ症候群研究会(事務局:順天堂大学医学部人体病理病態学 佐伯春美先生)と日本消化器病学会関連研究会として立ち上がっている『がんゲノム時代におけるリンチ症候群研究会』(事務局:石川秀樹先生)の運営委員会の皆様と 今後の活動、シンポジウムの共催等のZoom会議に出席した。 大変有意義な充実した運営委員会であった。 医療者としての『役割意識 & 使命感 & 配慮』の学びの時ともなった。

その後、恵泉女学園の理事長としてZoom臨時理事会に出席した。 女子教育に 大いなる理解を示した新渡戸稲造(1862-1933;東京女子大学 初代学長)は、河井道(1877-1953;恵泉女学園 創立者)、津田梅子(1864―1929;女子女子英学塾 現;津田塾大学 創立者)、安井てつ(1870-1945;東京女子大学 第2代学長)を援護した。

河井道は、1887年スミス女学校(現在:北星学園 女子中学高等学校)(北海道札幌市)に入学し、当時札幌農学校で教えていた新渡戸稲造と邂逅した。 1896年上京し、津田梅子に学ぶ。 1898年 新渡戸稲造夫妻に伴われて渡米し、 ブリンマー大学に入学する。 帰国後1929年 恵泉女学園を設立した。

河井道は、創立10周年を機に、『”My Lantern”(わたしのランターン)』を著した(1939年)。 筆者は、若き日『わたしのランターン』を拝読したものである。 『わたしの歩んできた人生の道で わたしのランターンのために ろうそくを わけてくださった友人』 & 『よりよいゴールにむかって 人生の道を勇ましく前進させる』の文章に赤線が引いてある。 まさに、『種を蒔く人になりなさい』の実践である。

新渡戸稲造の『優雅な感情を養うは、他人の苦痛に対する思いやりを生む。しかして他人の感情を尊敬することから生ずる謙遜・慇懃(いんぎん)の心は礼の根本をなす』が、今回鮮明に蘇って来た。 現代社会は、【『表面的なhappy』vs『内から湧き出るjoy』の違いの考察】の時ではなかろうか!