「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第318回「心に咲く花会」 高い目標を目指して努力し続ける姿勢 〜 優雅な感情を養う 〜

2024年1月4日 順天堂大学での賀詞交歓会に出席した。 第6代(第9代堂主)理事長の小川秀興先生の講演には、大いに感動した。

順天堂大学は、8学部4研究科6附属病院からなる健康総合大学・大学院大学として、『教育』『研究』『診療・実践』という3つの柱(添付)を通じた国際レベルでの社会貢献と人材育成を進めています。 学是『仁』(人在りて我在り、他を思いやり慈しむ心、これ即ち『仁』)と理念『不断前進』(現状に満足せず、常に高い目標を目指して努力し続ける姿勢)に則り、出身校、国籍、性による差別無く優秀な人材を求め活躍の機会を与えるという『三無主義』の学風を掲げ、『教育』『研究』『診療・実践』を柱に、グローバル社会において医療やスポーツ、人々の健康を支える人材の育成・輩出に取り組んでいます。】とある。

順天堂は1838年創立(1946年大学設置)。初代堂主は佐藤泰然(1804 - 1872)である。 筆者、癌研実験病理部部長の時代、2003年順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授に招かれた。 不思議な時の流れである。

1)学是『仁』(人在りて我在り、他を思いやり慈しむ心、これ即ち『仁』)

2)理念『不断前進』(現状に満足せず、常に高い目標を目指して努力し続ける姿勢)

3)『三無主義』(出身校、国籍、性による差別無く優秀な人材を求め活躍の機会を与える)

の復習の時となった。

医療者としての『役割意識 & 使命感 & 配慮』の学びの時ともなった。 新渡戸稲造(1862-1933)の『優雅な感情を養うは、他人の苦痛に対する思いやりを生む。 しかして他人の感情を尊敬することから生ずる謙遜・慇懃(いんぎん)の心は礼の根本をなす』が、今回 鮮明に蘇って来た。