「心に咲く花会」樋野興夫コラム

一般社団法人がん哲学外来 理事長 樋野 興夫(順天堂大学 名誉教授)コラムです

第352回「心に咲く花会」 草創期(ホップ)・発展期(ステップ)・飛躍期(ジャンプ) 〜 進むべき方向 〜

2024年5月30日『柏がん哲学外来』(柏地域医療連携センター)に赴いた。 3組の個人面談の時が与えられた。 スタッフの皆様との昼食会では、6月27日の『柏がん哲学外来15周年記念講演会』(添付)のことで、大いに話が盛り上がった。

その後、第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会(大会長:下平秀樹 東北医科薬科大学医学部腫瘍内科学教授)(添付)の会長宴(ホテルメトロポリタン仙台)に向かった。 思えば、筆者は、1998年 第4回の大会長を務めた。 そして、第2代目理事長(初代:宇都宮譲二先生、第2代:樋野興夫、第3代:富田尚裕先生、第4代:石田秀行先生)を歴任する機会が与えられた。 

第3代理事長の富田尚裕先生からは、『2007年からは樋野興夫先生が第2代理事長に就任された。“がん哲学”の活動でも高名な先生であるが,薀蓄あり,かつ機智とユーモアにあふれた独特の言葉・表現で ― 本学会を牽引された。― 本学会は,草創期(ホップ)・発展期(ステップ)を経て、いよいよ、飛躍期(ジャンプ)の時代に入ったかと感じている。』との心温まる紹介がなされている。 

翌日(5月31日)第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会『更なる飛躍を目指して(For further progress)』(仙台国際センター)で、筆者は、第4代理事長 石田秀行先生(埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科/ゲノム診療科教授)の『30周年記念 理事長講演:日本遺伝性腫瘍学会の歴史・現状と展望(2024)』の座長を仰せつかった。
石田秀行先生によれば、『2013年頃から会員数が急速に増加し、2023年3月時点で2400人を超えた。 人材育成事業に当初から取り組み、学術セミナー受講者の延べ人数は5000名を超える。』とのことである。 大いに感動した。
まさに、飛躍期(ジャンプ)の時代である。 筆者は、アメリカに留学時代、Alfred George Knudson, Jr.(1922-2016)から『遺伝性腫瘍』を学んだ。 『遺伝性腫瘍も単なる個性である』の『社会の構築』が、人類の進むべき方向であろう! これが、『日本遺伝性腫瘍学会の役割と使命』ではなかろうか!